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SAN OU のチャック K02-50,K01-63 心ブレ修正してみた

SAN OU K01-63 の心ブレ状態

  • この記事で書いた通り,換装用に初めに買ってあったK02-50 でテスト旋削する前にK01-63 を換装した
  • そもそもK02-50への換装を考えたポイントと一つに,心出しがしやすいのではないかと考えたからだ
  • 標準でついてくるチャックはアルミ製の軽量なもの.真鍮で旋削してみたがまあまあ目的のものを完成させることはできたが,φ7mm 真鍮棒をチャッキングするのだが,どうしても心が出ない.外径切削はまだしも,端面からの穴あけは苦労した.心が出ていればこんな苦労はないのにと思いながらの作業であった.ドリルの刃が揺れるのだ
  • 画像はその造作物である.インサートスクリューをはんだごてで圧入するための先端チップを作ったもの
    まだ詳細記事はできていない
  • なぜ心を出せないか,いろいろネットで調べてみた.こちらの記事内容が腑に落ちた.汎用旋盤についての内容なのでnano旋盤に当てはまるのかは不明ではあるが,とりあえずトライすることにした.
  • 要点は,爪の形状である.爪とワークの接点が1点なので安定しないから,ワークの半径より小さな曲率半径の爪を使用して2点接触させるという考えである

K01-63の硬爪をトリミングしてみた

  • K01-63についているのは硬爪である.つまり焼きが入っている.この爪のワークを把持する部分をトリミングすることにするのだが,Amazonで見つけたダイヤモンド砥石を使うことにした.なお,勝手にトリミングと呼んでいる
  • 使用するワークとしては概ねφ6-8mmの真鍮かアルミ丸棒を想定しているので,トリミングはφ4.8mmのダイヤモンド砥石を選んだ.
  • いつものように,構想ができると比較用の術前写真を撮らずに突っ走ってしまうのだが,トリミング前の心ブレを動画で残しておいた.Youtubeに上げておくのでどうぞ
  • 主軸を手で回して測定した.おおよそ0.07-0.08mmのブレというところか
  • そもそも汎用旋盤のスクロールチャックというのは,構造上0.02-0.03mmのブレは正常なのだそうだ.このブレを目標値とすることにした
  • 一応心押し台と,チャックの心は一致させてからダイヤモンド砥石をチャッキングした.これにどれほどの意味があるのかは不明であるが,やらないよりはましか・・・
  • 初めてのことなので,恐る恐る低速回転からはじめた.音に注意しながら無理なく行っていった
  • ある程度擦れる音が減少したら,心押し軸を左右にゆっくりと往復させて,均一にトリミングできるようにした
  • IKococater 安定化電源が非常に役に立った.おススメである
  • 私は購入する前にサクラチェッカーでチェックすることが多いのだが,これは長期間高得点を維持している.実際使ってもみると買ってよかったと思っている
  • ダイヤモンド砥石はチェーンソーの刃を研削するものらしいが,ダイヤモンド砥粒を蒸着したシリンダー状のビットを探していたら,おあつらえ向きのものが見つかった
  • 切削粉?がたくさん出たので,ダイヤモンド砥石は有効である
  • 2枚目の画像.横のラインがシャープできれいに出ている
  • 3枚目の画像.ちゃんとRがついているのが確認できた
  • トリミング後,付属の心出し用のロッドでは0.03-0.04mmぐらいか.
  • より真円度があると思われるセンタードリルでも計測してみた.すると約0.02mmと目標達成である
  • ここで注意が必要となることがある.6点で加圧されるワークは,当然面で把持されるよりも圧痕が付きやすいという点に留意しなければならない.本来は生爪に施す処理なので,硬爪に行うのであるから,推して知るべしである.まあそれが許されるのが趣味の良いところ
  • 把持する部位を考えたり,実際に許容できる範囲なのかは,いろんな材料でやってみないとわからないと考えている
  • Youtube で作業をご覧ください
  • 換装したK01-63の心ブレ状態をダイヤルゲージでチェックしたところ
  • こんなふうにトリミングの実際
  • トリミング後,付属のロッドで変化をチェックしたところ
  • ややロッドより太く,真円度が高そうなセンタードリルでもチェックしてみたところ
トリミング前の心ブレを計測しておく
トリミング作業の実際
トリミング後の心ブレを計測
真円度のありそうなセンタードリルをつけて計測

k02-50 の硬爪をトリミングしてみた

  • K01-63のトリミングを踏まえて,K02-50もトリミングしてみた.2回目なのでさすがにうまくいったと思う
  • ダイヤモンド砥石は,K01-63とは別の径のφ5.5mmでトリミングした
  • Amazonで購入したダイヤモンド砥石は4.0mm 4.8mm 5.5mm の3種類の径が入っている
  • 意味があるかどうかはわからないが,一応チャックと,心押し台のセンターを一致させておく
  • 慣れもあり,心押し台がしっかりしていることもあって,2回目ともなると心押し軸をぐりぐり動かした
  • 切削面が滑らかに,かつ均一になることを期待した.音を聞いていると変化がわかる
  • トリミング前後での効果を計測するために,デッドセンターを使ってみた.何やら精度が良さそうなので
  • チャックは22mmスパナでしっかりと固定した.薄いレンチでないといけない.チャック付属のツールで締め付ける
  • トリミング前の状態は撮影していなかった.悪しからず
  • トリミング後の爪,把持面はきれいなRがついている
  • 実際チャッキングしてみると,調整すれば0.05mmの精度では心が出せた.感覚としてはチャッキングのやり方次第でもう少し精度が出せる気がしている
  • トリミング前の心ブレ度.何度も何度もチャッキングしなおしてもこのブレ・・・
  • トリミングの実際.変に慣れて,繊細さに欠けた作業となってしまった
  • トリミング後の心ブレ度.満足できるレベルである
トリミング前の心ブレを計測しておく
トリミング作業の実際
トリミング後の心ブレを計測