サイドバートップに「近況報告」を新設しました

nano旋盤 おもちゃ旋盤改造プロジェクト

概要

  • 真鍮棒の旋削加工が必要となり,旋盤を買ってみようと思いたち,Amazonで購入したのがこれ
  • インサートスクリューナットを3Dプリンター造形物に埋め込むツールを作ろうと思い、あれこれ考えて,半田ごてに取り付けた真鍮丸棒をナットに差し込んで加熱・圧入するプランを実行することに
  • という事で最大の問題は真鍮棒の加工問題.どう考えても旋削が必要となった次第.別の記事でとりあげます
  • ちまたでは,おもちゃ旋盤,中華製ミニ旋盤と呼ばれることもあるよう
  • 結局,非力で,剛性に欠けることがわかり(予想通り)徐々にグレードアップすることになる
  • 同じパーツで組み上げる”おもちゃ”工作機械シリーズ
  • なんとこの商品は10パターンにトランスフォーム!
  • ストアの説明に”子供の教育,最高のギフト” とある.やっぱりおもちゃなのか...

おもちゃ旋盤

  • DIYに興味があり,実際に行っている人はやっぱり”いつかは旋盤”って思いがあるはず
    だけどそれを趣味で使うのは相当ハードルが高い
  • まず,置く場所がない.卓上旋盤といわれるものでも相当重くてでかい
  • それから,本体やバイトなど結構お高い!
  • それから,危ない(イメージ)! これを安全と思う人はなかなかいないと思う
  • 切子がたくさん出て,どう処理しよう...
  • そこでこれらの心配を吹き飛ばしてくれたのが,これから紹介する旋盤です
  • ”こんなの旋盤って言うな”という声も聞こえてきそうですが...
  • しかし,改造対象としてのポテンシャルは高い!

初めて旋盤を買う

  • いつものようにAmazonやAliexpressをサーフィンしていると,何やらそそられるブツを見つけてしまった
  • 楽勝で机の上に置けて,軽くて,そこそこ安価
  • 基本となる共用パーツの組み換えで,フライス盤などの工作機械へもトランスフォーム
  • いろいろと改造も楽しめそうな雰囲気を醸し出している
  • さっそくAmazonで購入となる
  • なんとなくこれを買ってみた
  • 注文日 2022年6月15日 ¥24,180
  • モーター速度:20,000rpm
  • 入力電圧/電流/電力:12VDC / 2A / 24W
  • いろいろ改造で楽しめそう.このままでは使えん!
  • Aliexpressではこれにあたると思う
  • TOOL THE FiRSTというブランドかな?
  • このストア GKTOOLS は純正パーツをたくさん取り揃えています
  • ”おもちゃ”旋盤,フライス盤シリーズの公式ストアなのかな?
  • 純正のパーツが揃っており,受け取りまでの期間が短い
  • しかも,ほかのセラーと比べてもリーズナブルな価格設定
  • 発送も迅速です.イチオシです
  • その後色々と情報収集していくうちにこの機種に深入りする前に,最低限モーターをパワーアップする必要性を強く感じた.必要性というより喜びである
  • そこでモーター単独では限界があるので,モーターギアボックスアセンブリというかっこいいのがあり,換装可能であることがわかった.
  • というか,はじめからAliexpress見とけよって話である
  • 上位機種がありワクワクする.そこでこの機種相当ヘバージョアップ?することとなった
  • モーターの比較を載せておく.大きい方は導入予定のギアボックスアセンブリから取り出した550モーター
  • 小さい方はサイズから380と思われる
  • ギアは圧入されて外せない.クーリングファンがついている
  • モーターを入れる筐体はプラスチック

そしてすぐにバージョンアップする(TZ20002MG相当)

  • ギアボックスアセンブリを購入,換装した.それに伴う必要パーツも購入
  • ギアボックスアセンブリについては別記事のTOOL THE FiRST のパーツ解説を参照してください
  • AliexpressのMy Tools Storeから購入したが型番はない
  • 例によってGKTOOLSでの型番はZ004MTSになる.シルバー部分に塗装が”電気メッキ”されたものはZ004MTEとなるが機能は同一である.確かに見た目は高級感がある.
  • 後から気づいたのだが,両者は似て非なるものであった
  • GKTOOLSのZ004MTSは写真上からではあるが,モーターのタイミングプーリーはイモネジで固定され,交換が可能なタイプと思われる.Z004MTSで確認してほしい
  • 一方,私の購入したものはモーターの軸に圧入され外れない.後述するが,GT2へ変更するためにグラインダーで削って除去することになった.えらく大変であった.
  • ギアボックスアセンブリを換装するとGKTOOLSではTZ20002MG相当となる
  • Amazonだと左(スマホでは上)のもの相当になる
  • 後述するが,心高を合わせるために”金属製中央ブロック”という変な名称のZ030Mというパーツが必要となる
  • 心押し台も高さを上げるので,2個必要となる
  • 更に刃物台も高い物に変更が必要となり購入

問題点がたくさん見つかった

  • まず初めに申し添えますが,以下の点は改良・改造を楽しめるとってもありがたいポイントです!
  • アルミ中心の金属パーツが多い中,土台となる部分はプラスチック!
  • アルミのフレームを結合させる構造なのですが,固定方法がなんとも頼りないジョイントを使う
  • 心(検索すると芯でもいいようだが,心とすることに)押し台がちゃっちー.もちろん心押し軸も
    少し送り出すとがったがた.しかし,そこに取り付けるドリルチャックを買ってしまった.当然お蔵入りとなった
  • 3爪チャックがついてくるが,ちょっと頼りない.軽いので慣性質量も小さい
  • 真鍮丸棒を加工したが,一応できたのだが,チャックにくわえさせての心出しがうまくいかないので,このチャックのせいにする
  • 主軸はパイプ状で直径10mmでこれまた頼りない.最も,何を切削するかではあるが
  • 自分の末塾さを棚に上げ,鉄製の剛性の高いSANOU製チャツクに変更することを選ぶ
  • 4爪チャックがよりいいのではと勝手に思い込み購入
  • 主軸もφ15mmへと変更が必要となる
  • X軸(手前と奥方向),Z軸(左右方向)と心押し軸の送りハンドルのガタ(遊び)が多すぎる
  • 送りハンドルが小さいがために,送り量が図りにくく,どこで切削を止めればいいかわかりにくい
  • 刃物台は鉄製だが,固定方法はM4のキャップボルト1本.これで大丈夫かと心配になる
  • 付属してくるバイトは4mm X 4mm のしょぼいのが1本.研いで使う自信ないしなぁ
    しかし,海外Youtuber はこれで鉄のボルトを旋削している
    この動画で,このマシンのポテンシャルに気づかされた.改造のモチベーション爆上げである
  • 使用されているねじが製品にばらつきがある.異常にきつかったり,ねじ頭がなめたり
  • アルミや真鍮の丸棒の旋削が目的だが,付属のモーターは非力
  • 付属の電源ははっきり言って使えないので安全装置(というほどでもないが)を組み込んだ,フットスイッチ付のコンソール(というほどでもないが)を製作する
  • 変速機能,回転計,Z軸送りスイッチを装備してより快適に旋削を!

各所の補強

鉄製ベースを製作する【ベース材購入編】

  • 付属のベースは明らかに暫間的なもの.ユーザーは適宜変更してねって感じ
  • 重くて,安くて,加工しやすいといえば鉄板である
  • 金属の板やパイプなどの切り売り販売ショップといえば横山テクノさんがイチオシ
  • まずほしいものが手に入る.安い,加工・発送が迅速,注文フォームがよくできている
  • だた現時点で,マイページがなく,購入履歴が保存されない点が残念
  • DIY素材購入先を探しているなら,絶対ブックマークすべき!
  • 鉄板,アルミ板,アルミブロック,真鍮丸棒,真鍮板など諾さんお世話になっています
  • で,ベースとなる鉄板を注文.一番安い? 黒皮鉄板を選択した.この名前初めて知った
  • 商品名:鉄 黒皮熱間圧延鋼板(1.6〜10.0mm厚)の(914x600〜100x100mm)定寸・枚数販売
    厚み:4.5 定寸法:300 x 200  単価:1,090円 単品重量:2.12kg
    数量:1 小計:1,090円 重量:2.12kg
  • サイズと重さからレターパックライトが可能であったため,送料¥370
  • いつも,送料が最安となるように発送してくれる

鉄製ベースを製作する【加工編】

  • アルミフレームを鉄板ベースに固定するのはこのZ043M(メタルダブルスロットナット)を使用する
  • ピース本体はおそらくアルミダイキャストにステンレスのM4ナットがはめ込んである.磁石でつかないのでスチールではなくステンレスと思われる
  • GKTOOLSストアから3回ほど購入したが,うち一回はなぜかアルミニウム製のピースにM4のネジが切ってあるものが送られてきた.どう考えても締めこんだ時の強度が弱そうである.面倒なので特に問い合わせせずに追加注文という賭けに出たが,ちゃんと希望のものが送られてきた.ある意味,貴重品をゲットできた
  • 4.5mm厚 300 x 200 黒皮鉄板にオートセンターポンチでできるだけ正確な位置にマークしてからφ4.2mm の穴をあける.鉄工用ドリルで簡単に穴があく.特に何でもいいのだが,ナチ(NACHI)製を使ってみた.さすがによく切れる
  • 穴あけ後は,面取りが必要.モノタロウ製で購入した六角軸面取りカッター 穴付タイプ TiNコート
    安価だがきれいな面取りができきる
  • もちろんドリルドライバーでも使えるのだが,ベッセルの電動ドライバーで使用するとかなり良い
    トルクがなく,低回転なので,この条件が相性いいのかもしれない.ただクラッチ機能がないため注意が必要である
  • ワークが大きいので,ボール盤は使えない.ドリルドライバーを使用してバカ穴をあけるので垂直にあける必要はないと思うが,改良したドリルガイドを使いたいので使ってみた.なかなか良い
  • 穴あけ位置はバカ穴なのだが,できるだけ正確に開けたい.ポンチは三共コーポレーションのオートポンチ(黄色いほう)がおすすめである.以前に買ったシンワ測定(青いほう)とちがい,空打ちがほとんどない
  • 底面の形状と材質からワークの上にのせると滑るので,3Dプリンターで作ったベースに2mm厚ゴム板を貼って安定性を高めてある
    スプリングが2本なのだが,強すぎて使いづらいの1本引き抜いてある.特に問題はない
  • メタルダブルスロットナットはM4 10mm ステンレス六角ボルトで固定する.
  • 振動が出て緩んでくることが予想されるので,スプリングワッシャーを使用した.6角レンチドライバーの3mmを使うと容易に強固に締め付けることができる.締め付け完了後は,相当剛性が出たので満足
  • 6角レンチドライバーとオートセンターポンチは,Amazonで買えるおススメツールを紹介で詳しく紹介している
    下にリンクあります
  • キャップボルトなので、底面にでっぱりとなってしまうため、ダイソーで買ってきた6mm厚MDFに穴をあけてベースのベースとした
  • 一応見た目を気にして手持ちのスプレーで塗装しておいた.ワークベンチを傷つけることなく、滑り止め効果もあり良好である
  • 左下に写っているのはZ軸送り用のステッピングモータ.別の記事でとりあげます

マシンベッド(アルミフレーム)の結合を強化する

  • アルミフレームはマシンベッドというらしい.断面が50mm x 50mmサイズで長さはいろいろある.おそらくだがアルミダイキャストのよう.マシンベッドを平行に結合・固定する時に”金属接続部品”というジョイントを使用する.これには長・短2つのサイズがある
  • ある意味,重要なパーツ.要は,これでは全体の剛性が確保できないのである
  • ①短いのがZ013M,長いのがZ013ML である
  • ②M3ビスが,埋め込まれたステンレス製四角のナットにねじ込まれることにより,各パーツが引き寄せられる.斜面で滑りあい広がってマシンベッドの溝の壁面に押し付けられる
  • しかし,これでは平行に押し付けられるわけではないので,ねじれの力で固定される.これでいいのか?
    この問いの答えは,独断と偏見ではあるが下で述べることにする
  • ③付属のビスはプラスネジである.出来が悪くすぐなめてしまう.固定するにはかなり締めこまないといけないので変更することにした
  • ④M3キャップボルトを購入し置き換えた.同じ長さのものは手にはいらなかったが,これで問題ない
  • ⑤全長の比較を載せておく.M3 x 45mm と M3x60mm をAmazonで購入
  • このパーツは意味がなく,強く締めないで使うという意見もあるが,結合対象(この記事ではマシンベッド)がおのおの別のパーツ(この記事では鉄板)に強固に固定されていれば,むしろしっかりと締め付けたほうがいいと考えている.”金属接続部品”を締め付けて結合対象が動かないのが大前提であるが
  • それゆえに,鉄板にマシンベッドを固定するキャップボルトをしっかりと締め付けることができるレンチが重要となる
  • 6角レンチドライバーはとても有用なのでAmazonで買えるおススメツールを紹介を見てほしい
  • ”金属接続部品”の使い方をちょっとだけ
  • マシンベッドだけでなく金属製中央ブロックのようなパーツの結合にも使う.名前何とかならんのか…
  • 挿入方向には注意がいる.写真中央のようにストッパーがあるので気を付ける
  • 写真中央のように固定される.キャップボルトだと強く締めることができる

ねじから変える.ねじいろいろ

  • 付属してくるネジは,プラスネジが多いのだがよくなめる.形状と材質の問題だと思う
  • ほとんどのネジをできる限りキャップボルトに変えている.スチール製かステンレス製がいいかはいろいろとあるらしいが,特に意識しない.Amazonかモノタロウで入手できるお手頃なものを選択している
  • M4のネジが多い.8mm,10mm,12mm あたりはストックしておくとよい
  • 振動する機械なので,スプリングワッシャ,ナイロンゆるみ止めナット,フランジナットを使い分けた
  • おススメなのは,ワッシャとスプリングワッシャがついていて,しかも容易にはそれらが外れないキャップボルト.少々お高いのが玉にキズ
  • 頻繁にねじを外すため,ねじロック剤は使わないことにしている

ギアボックスアセンブリの固定

  • ギアボックスアセンブリについては別記事のTOOL THE FiRST のパーツ解説を参照してください
  • 購入したマシンの主軸はマシンベッドから心高(マシンベッド上面から主軸中心までの高さ)で25mmである
  • Z20002MGを見るとZ030Mというパーツ上に取り付けてあるのがわかる.で,当然購入した
  • これで心高50mmとなる.界隈では有名なK01-63を余裕で装着できる
  • これらをマシンベッドに固定するのだが,デフォルトの取り付け方法だと見るからに剛性がない
  • できるだけオリジナルのデザインを損なわず,剛性を上げる改造を行ったのだが説明したい部分が多くなってしまったので別の記事を作成したのでご覧ください

心押し台を交換する

心押し台の変更・固定

  • 心押し台,芯押し台,テールストックとも呼ばれるらしい.デフォルトの心押し台はものすごく剛性に欠けるためこのままで精度ある加工は難しいと思った.私のモットーである目標70%としても疑問符が付く
  • このままいかに補強・改良しても剛性の確保は不可能と判断した.そこでいつものAliexpressサーフィンをしていると使えそうなものを見つけた.まずは,スペックを調べて何とか我nano旋盤に組み込めそうな感触を得た
  • TZ20002MG相当なので心高は50mmである.この心高に合わせられるのが絶対条件の一つである.もう一つの絶対条件は当然剛性であるからアルミ製は却下である
  • この改造も,画像を多くなってしまったので別の記事を作成したのでご覧ください

長くなるので,以下の記事内容は,別記事で紹介します(予定を含む)

主軸の出力を上げてみる

モーターを強力なものに換装する

プーリーを交換し,減速比を変えてみる

チャックを交換する

主軸・ベアリング交換

鉄製のスクロールチャックへ交換

刃物台を強化する

X,Zテーブルの送りハンドルの改良

  • ここまで別記事です(以下は公開予定)———————————————

Z軸送りを自動送りに改造

ステッピングモーターとコントローラーを購入

Z軸送りにリミッター付けてみる

送り量をデジタル表示してみる

角度をつけて切削してみたい

Aliexpressで選定・購入

台座となるアルミブロックを製作

電源システムを構築する